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すべての研修が終わって
ITILエキスパート合格体験記
オリーブネット株式会社
代表取締役 官野 厚
(PPOで満点を取得)
1.はじめに
私は現在、ITIL®のファンデーション資格を取得しようとしている方々を対象にしたITサービスマネジメントの入門コースの講師を務めております。バージョン2の時代にサービス・マネージャを取得し、バージョン3の試験制度が開始されてすぐにブリッジの教育コースに参加してITIL®エキスパートの資格を取得しました。エキスパートの資格は持っていてもインターミディエイト・コースの講師にはなれない制度なので、今回、5科目の資格を取得することにしました。
普段は教える立場でITIL®漬けの毎日を送っており、既に最終到達点であるITIL®エキスパートの資格は既に持っているとなると、自身にとっては消化試合のような刺激の少ない研修になるのではないかと、正直なところ心配をしていました。
2.すべての研修が終わって
すべての研修が終わって、このおよそ半年間のことを振り返ってみると、当初には想像もしていなかった充実した日々を送ることができたことに感謝したいと思います。その理由として次の3点を挙げたいと思います。
- アイテル塾の塾頭となったこと
- ディベートで自分とは異なる視点に触れることができたこと
- MALC の試験が予想外に難しかったこと
(1) アイテル塾の塾頭となったこと
アイテル塾はバージョン2の時代にサービス・マネージャの資格を目指す仲間が集まって勉強会を開いたことからスタートしたと聞いています。今回、荒川さんの提案により、エキスパート・コースの最初のメンバーの中から有志5名でスタートし、月1回のペースで勉強会を開催し、次のようなことを行いました。
- 各コースで課せられる提出課題をまとめるために「すご訳」の参考箇所の確認
- ディベートの題材であるケーススタディについて意見や情報の交換
- 事前に渡された模擬試験の解答の分析
なぜかこの塾の取りまとめ役(塾頭)になってしまった私は、滞りなく進行できるようにある程度の予習をしました。事前準備をしなければならないという規則はありませんが、せっかく集まる仲間に無駄な時間を過ごさせてしまっては申し訳ないという気持ちが程よい緊張感を与えてくれました。
(2) ディベートで自分とは異なる視点に触れることができたこと
アーク社では、試験前日と当日の2日間スクーリングを行います。ここではケーススタディとして「シンセン組」という会社で起こる様々な事件をITIL®の観点から説明したり、ソリューションを提案したりします。
受講生の二人が別のコンサルタント会社の社員となり、あらかじめ作成したソリューションを「シンセン組」の社員である他の受講生に提案します(もう一人、著名なラストサムライも出席しますが、それは秘密です)。コンサルタントとなった受講生は、問題解決により適したソリューションであることを交互に主張します。
最後は、「シンセン組」の社員となった受講生の多数決によって優れたコンサルタントを選びます。ゲーム形式のディベートは面白く飽きることがありません。さらに、それぞれの受講生が、持ち味を生かしてITIL®のソリューションを、いろいろな視点で説明してくれるので視野を広げることができました。
ITIL®エキスパート試験は、一定の得点を取れば合格できますので、他の受講者のみなさんの知恵と知識を自分のものにすることができるディベートは、印象も深く、大変よい勉強法であると思いました。
(3) MALC の試験が予想以上に難しかったこと
冒頭にもお話しいたしましたように、私は既にITIL®エキスパートの資格を持っており、まさかITIL®の試験でつまずくとは思ってもみませんでした。恥ずかしながら、そのまさかが現実になったのです。
サービスマネジメントの講師である私が、なぜわざわざこんなことを書くのかと思われるかも知れませんが、後続の皆さんには一発で合格していただきたいからです。「自分はそんなへまはしない」と思っている方も多いと思います。私もそれまでの4科目は、満点を含むかなりの高得点で合格しており、まさか失敗するはずはないと思っていました。しかし、MALC と、SOA~OSAとは、講師が強調していたように視座が違うのです。油断は大敵です。簡単に解けた問題ほど、シナリオや問題に見逃した条件がないかどうかをもう一度確認してみてください。
3.最後に
MALCに限らずITIL®の試験に関して言えることは、APMGが公開しているシラバスからバランスよく出題されることです。したがって、対象コースのシラバスを参照して、苦手の領域をなくしておくことが正攻法だと思います。
アーク社のコースでは、シラバスの内容を分かりやすくまとめたA3版の資料を配布してくれています。また、コーステキストが、各コースのシラバスを完全に反映した「すご訳! コア書籍 これだけSOA」などで構成されていることも、合格への最短コースとなっている理由の一つと思います。
ITILファンデーション試験用のテキスト本を出版いたしました。
書店で見かけましたら、よろしく。
出版社 毎日コミュニケーションズ
303頁 2,625円
7ネットショッピング お客様おすすめ度 4点(5点満点)