ペルシャ絨毯をもっと知ろう
ペルシャ絨毯を知らない人はいませんが、詳しく知っている人は少ないようです。高価な買い物の前に、ペルシャ絨毯のお勉強をしておきましょう。
1.ペルシャ絨毯の種類と構成 |
2.ペルシャ絨毯の品質 |
3.ペルシャ絨毯の名称とサイズ |
4.ペルシャ絨毯の各部と文様の名称 |
5.ペルシャ絨毯の産地 |
6.ペルシャ絨毯の生産状況 |
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豆知識 |
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修理 |
買取 |
当社概要 |
ペルシャ絨毯の種類については、確立されたものはありません。デザインによる区分、形状による区分、品質による区分、産地による区分などがあげられます。
デザイン | 説 明 | 一例 |
メダリオン | 中心部に大きな模様(メダリオン)をもつタイプ | |
メダリオンコーナー | メダリオンと、四隅に統一模様をもつタイプ | |
オーバーオール | メダリオンを持たない総柄のタイプ | |
ジオメトリック | 幾何学模様のタイプ | |
メヘラブ | モスクをイメージした模様をもつタイプ | |
ピクチャ | 絵画・景色などを絨毯にしたタイプ | |
必ずしも明確に区分できないものもあります |
ページトップ | 種類と構成 | 品 質 | 名称とサイズ | 産 地 | 生産状況 |
形 状 | 名 称 | 生産の状況 |
長方形 | 下表を参照してください | 圧倒的にこのタイプが数多く生産されています |
正方形 | スクエア | あまり生産されていません |
円 形 | ラウンド | 数は少ないですが、生産されています |
楕円形 | オーバル |
名 称 | サイズ |
ポシティ(Positi) | 80cm×60cm |
ザロチャラク(Zaarocharack) | 130cm×80cm |
ザロニム(Zaaronim) | 160cm×100cm |
ドザール(Do Zaar) | 210cm×140cm |
パルデ(Pardeh) | 250cm×160cm |
キャレギ(Kalegi)・6u | 300cm×200cm |
キャレギ(Kalegi)・9u | 350cm×250cm |
ガリ(Ghali)・12u | 400cm×300cm |
ガリ(Ghali)・16u | 400cm×400cm |
ガリ(Ghali)・24u | 400cm×600cm |
ケナレ(Kenareh) | 400cm×100cm |
手作業生産のためサイズはおおまかな目安です |
ページトップ | 種類と構成 | 品 質 | 名称とサイズ | 産 地 | 生産状況 |
ページトップ | 種類と構成 | 品 質 | 名称とサイズ | 産 地 | 生産状況 |
等級 | 工房と織り子 | 材料 | 染料 | 色種類 | 織密度 | 厚み | デパートなどでの参考価格 | 当社の価格 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
普及品 | ・産地近郊の農家 ・工房の新人織り子 |
|
化学染料も多い | ‐ | 荒い (40万ノット前後) |
厚い | 7〜10万円前後(大半がこれです) | 取り扱っていません | |||
中級品 | 工房の織り子 | 一部化学染料 | 中 (60万ノット前後) |
中 | 30万円前後 (数枚程度おいています) |
20万円前後 | |||||
高級品 | 熟練した織り子 | 天然染料 | 細かい (100万ノット以上) |
薄い | 100万円〜 (ただし、ほとんどおいていません) |
40〜80万円前後 | |||||
必ずしも明確に等級が定められている訳ではありません。価格はザロチャラク(玄関マットサイズ)シルクの例。 ノットは、1uあたりの結び目の数。 |
名 称 | 概 要 | デパートなどでの参考価格 | 当社の価格 | |
---|---|---|---|---|
オールド | 製作されてから50年以上を経過した高級品 | まず置いていません | 1000万円〜 | |
アンティーク | 製作されてから100年以上を経過した高級品 | 個別ご相談 | ||
当社の価格はキャレギの一例です。 |
ページトップ | 種類と構成 | 品 質 | 名称とサイズ | 産 地 | 生産状況 |
主な産地 | 状 況 |
クム (Qum) |
日本への輸出では最大の産地。かつてはウールが中心であったが、60年程前にラジャビアン工房がシルクを作り出してから現在はほとんどがシルクとなっている。歴史は比較的浅く、アンティークはあまり存在しない。著名工房には、マスミ、ラジャビアン(父・兄・弟)などがある。 |
タブリーズ (Tabriz) |
イラン最大の産地。シルクも作られるがウールが多い。赤・白・茶・黒など色種が多いのが特徴。生産の歴史は紀元前に遡るほど古い。著名工房には、ファーヘル、ベナム、アリナサッバ、カレバキなどがある。 |
イスファハン (Isfahan) |
縦糸にシルクを用いた赤系のウールを特徴とする歴史のある産地。著名工房には、セーラフィアン、ヘキマット、ネジャッドがある。 |
カシャーン (Kashan) |
普及品を中心とする産地。赤系のウールが多くシルクは少ない。著名工房には、シードーサルがある。 |
ナイン(Nain) | ベージュ系のウールが多くシルクは少ない。著名工房には、ハビビアンがある。 |
ページトップ | 種類と構成 | 品 質 | 名称とサイズ | 産 地 | 生産状況 |
ペルシャ絨毯は、一品一品が手作りで製作されます。織り子は、デザイナーが作成した製作図に従い、縦糸と横糸の交点(ノットといいます)に指定された色の糸を結んでははさみで切りそろえながら製作を進めます。ノットは1平方メートルあたり高級品では100万以上にもなり、一枚を製作するのに熟練した織り子でも6か月から1年半かかります。現在製作にかかって16年になる絨毯がありますが、完成までにはまだまだ年月がかかり、おそらく20年以上を要すると見られています。 ペルシャの大きな工房でも、織り子が2500名位で、その年間生産枚数は1000枚弱です。その他の工房はさらに織り子が少なく、その結果、高級な絨毯の生産枚数は非常に限られたものとなっています。反対に、数百とも数千とも言われる全国に点在する工房や産地近くの農家などで作られる普及品は比較的多く、これらは適当な産地名をつけて出荷されているのが現状です。 また、生産されるサイズは欧米向けの大型サイズが多く、日本人好みの小型サイズはあまり作られていません。そのため、ますます入手が困難となっています。 さらに問題なのは、その品質です。日本人は品質へのこだわりは世界一です。しかし、彼らは少々の疵は気にしないのです。私どものバイヤーは、何軒もの契約工房を回り絨毯を見ますが、厳しくチェックしますので買取交渉に入れるのは100枚のうち1枚かせいぜい2枚です。すべてが手作りですから、工業製品のように完全無欠のものはありませんが、それほど厳しい吟味をして輸入しているのが現状です。 また染料も、高級品はすべて動植物や鉱物から作られる天然染料を使用しますが、最近はだんだんと入手が困難な染料が増えてきています。ペルシャ絨毯は、使い込んで歳月を経るほどに色合いがしっくりと落ち着き、ますます美しくなります。工房では、それを計算に入れて、色合いを決めているのです。しかし、化学染料ではそのようなことができません。化学染料では、歳月が経つと色合いのバランスがくずれて行きます。 私どもが普及品を取り扱わないのは、そのような事情によるものです。 |
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